福島県の企業さまで、10:00〜17:00の管理職研修を担当しました。
テーマは 「策定から1週間の“管理職の心得”を、現場で使える行動に翻訳する」 こと。
新しい指針を“伝える”ではなく、“動きが変わる”ところまで持っていく設計です。
当日の流れと、実際に投げかけた問い
① 読み合わせ:言葉のズレを0にする
まずは条文を一つずつ声に出して読み合わせ。
その上で問いかけました。
「この1行、あなたの部署では“何をどうする”ことだと言えますか?」
抽象的な表現(例:主体性・チームワーク)を、参加者の口で具体的な表現に置き換えていただきます。
② 私の解釈を共有:なぜ今これが必要か
条文ごとに、会社のフェーズ・事業の状況と結びつけて背景を説明。
③ 自己評価:数値で“今の自分”を直視
各項目について 1〜5の自己採点 を実施。
問いはシンプルに、「ここ1週間の事実で、何点にしますか?」。
印象ではなく 事実(行動の有無) で採点していただきました。
④ チームディスカッション:ベストプラクティスを横展開
評価が割れた項目を中心に議論。
「4〜5を付けた人は、具体的に何をしましたか?」 と聞き、
“うまくいった行動”を全体で共有しました。
⑤ アクションプラン:明日の一手+1週間の追跡
最後は、明日からやることを1つだけ 決め、
「いつ、どういうシーンで、何を、どのように実行するのか」 まで書き切ります。
あわせて、1週間後のチェック方法(朝礼で30秒報告/1on1で確認など)も決定。
研修で大切にしたこと
- 抽象的な言葉を“具体的な言葉”に落とし込む
→ 具体的になればイメージでき、実行スピードが上がります。 - できているかどうかの評価は“事実ベース”で
→ 主観的な思い込みを排除し、客観的に事実をもとに振り返ると課題が浮き彫りになります。 - 定着まで設計する(1週間の追跡)
→ “やりっぱなし”がゼロに。小さな成功体験が増えます。
中小企業にとっては、管理職の判断基準がそろうこと自体が生産性です。
「誰に当たっても同じ判断」になれば、現場は迷いません。
当日の空気感と、出てきた声
- 「心得の“解釈”が部署で違っていたことに気づいた」
- 「“事実で評価する”と言われると、行動を変えるしかないですね」
- 「うちの面談シートにも、この項目を入れてしまおう」
印象的だったのは、皆さまが素直に学び、遠慮なく議論し、ためらわず決める姿勢。
その場で現場の言葉に置き換えるほど、定着の速度は上がります。
おわりに
“心得”は掲示するだけでは力を持ちません。
現場の行動に翻訳されて初めて、組織を前に進めるエンジンになります。
「うちの会社でもやりたいが、最初の設計が不安」という方は、小さく始めて確実に回すところからご一緒します。
研修はオーダーメイド。
事業フェーズ・組織課題・人員構成に合わせて最適化します。
まずは個別面談から、いかがでしょうか。