—「紙に書く」だけで心が軽くなる
忙しいとき、失敗したとき、だれかに言われたひと言が気になるとき。
モヤモヤした気持ちは、放っておくと大きくふくらみます。
そんなときにおすすめなのが、紙に書くこと。道具はいりません。ノートとペンだけ。
ここでは、中学生でもすぐできるやり方を、わかりやすく紹介します。
どうして「紙に書く」と楽になるの?
- 頭の中のごちゃごちゃが、紙の上に並ぶからです。
頭の中だけで考えると、同じことが何度もぐるぐる回ります。
紙に出すと、見える形になって整理しやすくなります。 - 気持ちと自分を少しはなせるからです。
紙の上の言葉を“外から”見ると、冷静になれます。
「あれ?思ったより小さな悩みかも」と気づくことが多いです。 
3ステップでできる「書き出し法」(5〜10分)
1)タイマーをセット(2〜3分)
ペンを持って、今の気持ちをそのまま書きます。
きれいな文でなくてOK。箇条書きでOK。止まらずに書き続けます。
書き方のコツ
- 「〜が不安」「〜にイライラした」「〜がこわい」など、素直な言葉で。
 - 人や自分を責める言い方でも大丈夫。まずは心の中を外に出すことが目的です。
 
例)
- 明日の発表がこわい。つっかえたらどうしよう。
 - Aさんの言い方がきつかった。私が悪いの?
 - 宿題がたまってる。どれからやればいいかわからない。
 
2)事実と気持ちをわける(2〜3分)
書いた中から、事実と気持ちに線を引きます。
- 事実:カレンダーにある発表、提出期限、言われた正確な言葉 など
 - 気持ち:こわい、イライラ、かなしい、やる気が出ない など
 
ここがポイント:
「気持ち」を悪者にしないでください。
ただ、「これは事実」「これは気持ち」と分けて見るだけでOK。
3)今日の“小さな一歩”を書く(1〜3分)
すぐにできる具体的な行動を1つだけ決めます。できれば5〜15分で終わるもの。
例)
- 発表の最初の3行だけ声に出して練習する
 - 宿題の表紙だけ作る/問題を3問だけ解く
 - Aさんには、明日「昨日は忙しかった?」と短く様子を聞く(攻めない)
 
大事なのは完璧にやることではなく、動き出すこと。
小さな一歩で十分。動くと、気持ちはあとからついてきます。
使えるテンプレ(そのまま書いてOK)
- 今の気持ち:________________
 - 頭の中の言葉(思いつくままに):
・________________
・________________
・________________ - 事実:________________
 - 気持ち:________________
 - 今日やる小さな一歩(5〜15分):__________
 
(ノートの1ページに、この5行を毎回書くだけで習慣になります)
よくある質問
Q. 書いていたら怒りが強くなってしまいました。
A. まずは全部書き切るでOK。そのあと、
 「今の私を守るために怒りが出てるんだね。教えてくれてありがとう」
 と、一度自分に声をかけてから、事実と一歩を決めましょう。
Q. 書く時間がありません。
A. 3分でも効果があります。スマホではなく、紙とペンがいちばん早く落ち着けます。
Q. 誰かに見られたくないです。
A. 書き終わったら破って捨てる、写真に撮って紙は処分でもOK。
 大切なのは、外に出すことです。
さらに楽になるためのヒント
- 時間と場所を決める:寝る前の3分、朝起きてすぐの3分など。
 - 言葉を増やす:かなしい/不安/くやしい/あせり/つかれた……
細かく言えるほど、心は落ち着きます。 - 書いたあとは水を一杯:体を落ち着かせる合図になります。
 
まとめ
- ネガティブな気持ちは、紙に書くだけで小さくできます。
 - まずは、思いつくままに2〜3分。
 - つぎに、事実と気持ちをわける。
 - 最後に、今日の小さな一歩を決める。
 
この3つを続けると、少しずつ自分で気持ちを整える力が育ちます。
つらい日ほど、ノートを開いてみてください。あなたのペン先が、心の味方になります。
         
     



       
       
       
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