導入
上場企業様にて、従業員規模1000名ほどの企業様を対象に、部長向けのオンライン研修を実施しました。
今回のテーマは、単なるマネジメント知識のインプットではありません。
部長として、自分は何を担う立場なのか。
部下の成果だけでなく、関係性や意味づけまで含めて、どう現場を動かしていくのか。
そうした問いに対して、一人ひとりが立ち止まり、考え、書き出し、共有しながら、自分なりの答えを深めていく時間となりました。
部長になると、成果だけでは組織は動かなくなる
部長という役割に就くと、どうしても「数字をつくる」「進捗を管理する」「問題を解決する」といったP行動に意識が向きやすくなります。
もちろん、それは重要です。
しかし、組織が大きくなればなるほど、それだけでは現場は動きません。
今回の研修では、PM理論をもとに、
- 目標達成に向けて推進するP行動
- 人間関係やチームの空気を整えるM行動
この両面をセルフチェックしていただきました。
自分はどこに強みがあるのか。
逆に、どこが不足しやすいのか。
部長層だからこそ、感覚ではなく言語化して把握することが重要です。
「自分はできているつもりだった」が、「実はPに偏っていた」「Mのつもりが、単なる遠慮になっていた」と見えてくるだけでも、現場への関わり方は大きく変わります。
役割を“肩書き”ではなく“言葉”にする
今回、特に大事にしたのが、部長としての役割を言語化するワークです。
同じ部長でも、置かれている環境も、求められている期待も違います。
だからこそ、「部長とはこうあるべき」と一般論で終わらせず、
- 経営から何を期待されているのか
- 上位役職者から何を求められているのか
- 現場のメンバーから何を期待されているのか
- そして自分自身は、どんな部長でありたいのか
こうした視点から、自分の役割を整理していただきました。
役割が曖昧なままだと、行動も曖昧になります。
一方で、役割が言葉になると、判断にも一貫性が生まれます。
部長は、単に管理する人ではありません。
部門の成果と人の成長、その両方を支えながら、組織の未来をつくっていく存在です。
その自覚を持てるかどうかで、日々の言葉も関わり方も変わっていきます。
「やる気を出させる」ではなく、動機付けを再設計する
もう一つ大きなテーマになったのが、動機付けです。
研修では、参加者ご自身に
「自分が言われて嬉しかった言葉」
を棚卸ししていただきました。
なぜ、その言葉が嬉しかったのか。
どんな場面で、どんな関係性の中で、その言葉が力になったのか。
これを振り返ることで、外発的動機付けは、報酬や評価だけではなく、日々の承認や感謝、期待の言葉でも生まれることを再確認していただきました。研修内でも、外発的動機付けは外からの刺激で火をつけるものであり、言葉による承認や感謝がモチベーションに大きく影響すると扱われています。
ただし、それだけでは長続きしません。
だからこそ今回は、内発的動機付けにも踏み込みました。
仕事の意味は何か。
なぜこの仕事をするのか。
誰のために、何のために、この役割を担うのか。
部長自身がここを語れなければ、現場のメンバーの仕事は、ただの業務になってしまいます。
意味や意義が見えたとき、人は“やらされ感”から抜け出し、自分の意思で動き始めます。
オンラインでも、受け身にしない研修へ
今回の研修はオンライン実施でしたが、だからこそ一方通行にはしませんでした。
考える。
書き出す。
ブレイクアウトルームで共有する。
他者の視点から学び合う。
この流れを何度もつくることで、参加者の皆様が受け身にならず、自分の言葉で整理し直せる場を設計しました。実際に研修内でも、ブレイクアウトルームでリーダーを決め、全員がアウトプットし、互いに質問やリアクションを返す進め方が取られていました。
知識は、聞いただけでは定着しません。
自分の頭で考え、自分の言葉で話したときに、初めて現場で使えるものになります。
特に管理職研修は、「知っている」で終わらせないことが重要です。
「できているか」「現場で使えているか」まで踏み込んでこそ、研修は価値を持ちます。
部長が変わると、組織の空気が変わる
部長層の影響力は大きいです。
部長の言葉、関わり方、価値づけの仕方ひとつで、部門の空気は変わります。
数字だけを追わせる組織になるのか。
意味を持って挑戦できる組織になるのか。
指示待ちが増えるのか。
自分で考えて動く人が増えるのか。
この分岐点にいるのが、まさに部長です。
だからこそ、部長研修は知識習得の場ではなく、
自分の在り方を見直し、現場への関わり方を再設計する場
であるべきだと、私は考えています。
まとめ
今回の研修では、部長としての役割を言語化し、PM理論を通じて自分の傾向を見つめ直し、さらに外発的・内発的動機付けの両面から、現場への関わり方を考えていただきました。
そして何より、考え、書き、共有し、学び合うプロセスそのものが、管理職に必要な姿勢を体感する時間になったと感じています。
管理職が変われば、現場は変わります。
現場が変われば、組織はもっと強くなれます。
最終的に目指したいのは、社員一人ひとりが自ら考え、行動し、現場で売上と利益を生み出せる状態です。
社長が不在でも、現場が止まらない。
そんな自走経営につながる土台を、これからも研修を通じてつくっていきます。










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